任意売却すると住宅ローンは払わなくていいの？

住宅ローンを返せなくなったときには、持ち家を担保としているならばせっかく購入した物件ですが手放さなければいけなくなります。そのとき競売で売却をするとなれば、市場価格よりもかなり安く手放すことになります。そうなれば物件を売って、手数料などを差し引いた売却益が手に入っても、借金の額には足りないかもしれません。 できるだけ高く売るためには、金融機関と債権者であるローン保証会社に任意売却の相談をして、通常の売却手段で手放すことです。そうすれば市場価格で売ることができれば、借金の返済も楽になります。そこで疑問点はまだ住宅ローンが残っていたときに、その支払はしなくてよいのかということです。 残念ながら任意売却をしても、住宅ローンを返済する義務はなくなりません。正確に言えば住宅ローンは保証会社や債権回収会社が代わりに金融機関に返済（代位弁済）をしてくれるので、保証会社や債権回収会社に対して発生した新たな借金の返済義務ということになります。もちろん、物件を売ったお金を借金の返済に充てて残債を完済できたらいいのですが、残念ながら中古の物件ですからある程度は残ってしまいます。ですから売却しても残債の返済をしていくことになります。 それでは、返済をすぐに済ませなければいけないのかというと、任意売却をするほどに経済状況が悪いということを踏まえると一括で返済することは無理だということは明らかです。ですから、債権者である保証会や債権回収会社もそれを踏まえて、生活が困ることがないように少しずつ返済をして形にするということで合意してくれます。その交渉次第では残債を圧縮してくれるので負担はさらに楽になるでしょう。実際に、月々の支払いがどのくらいの負担になるのかというと、一般的に月々1万円から2万円程度です。そのくらいの金額だと完済できるまでには長い月日がかかるかもしれませんが、なんとかなる可能性は残ります。 支払能力にあわせた形で借金を返済していくためには、それができるという可能性をしっかりと見せなければいけません。安定した仕事につき、一定の収入があるならば交渉の余地はあります。でも病気やリストラなどで住宅ローンの返済ができなかったというときには、収入が入りませんから減額に応じてくれなくなります。そうなれば、返済の負担から逃れるためには、自己破産をするしかありません。 果たして任意売却が良いのか、それとも自己破産が良いのかは、専門家に相談しながら決めたほうが良いでしょう。